練習の極意
練習をする時に気をつけていることがある。
一つ目は「練習」とは言わないこと。練習では無く「フラメンコのそばに行く」と言っている。
「練習」と言うとどうしても、努力するとか、頑張るとか、成長するための何かとかのイメージが付き纏い、鬱陶しい。
もっと軽やかに純粋にフラメンコに取り組みたいのでただ「そばに行く」で良い。
ちなみに本番の為の練習においてもそうである。プロである以上、努力するのも苦しむのも当たり前なので、練習はもっと自然で良い。
二つ目は「やり切らない」こと。
必ず決めたことの全てはやらずに、次の機会に残しておく。全部やり切らないと気が済まなかった昔は随分と自分を追い込んで苦しめた。今はわざと残しておく。必ずやり残す。そうすると心が自然に次へと向かう。
三つ目は、丁寧に着替える事。
時間で借りている貸しスタジオでは、時間がもったいないのでギリギリまで練習して急いで着替えることになるが、酷使した身体を労わりながら、着替えの時間も丁寧に楽しみたい。
何気ない日常を楽しむと言うことは、何事も丁寧にやって、その中に何かを見出す事だと思う。
コロナ禍でままならない事も多い日々、今を楽しむ事、わずかな心の揺れに想いを馳せる事、この中にも芸術の種は沢山ある。
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